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Case3(No3)噛み合わせの挙上により顎関節症が治癒した例

投稿日:2021年4月2日

カテゴリ:咬み合わせ治療 入れ歯(義歯)

Case3(No3)噛み合わせの挙上により顎関節症が治癒した例

被せ物による奥歯拳上の前後

上の2枚の写真は治療前後の比較ですが、皆さんは違いがお判りでしょうか?

治療前に比べて、噛み合わせの高さが8mm程度高くなっています。そのため、治療後には下の前歯がたくさん見えているのがお判りいただけると思います。
今回はコバルト-パラレル義歯で咬み合わせを拳上(持ち上げる)したことによって、顎関節症が治癒した症例についてご紹介いたします。

噛み合わせ治療前後の口腔内写真

【初診時の状態】

こちらの患者さんは、深い噛み合わせで下顎の前歯がほとんど見えない状態でした。もともと短顔で、噛み合わせの高さは低かったと思われますが、歯周病で奥歯を失ったことで、より一層その傾向が強くなったと考えられます。

このまま放置すると、歯周病が悪化して抜歯となり、総入れ歯という状態でした。全体X線写真ではアゴが張って力が強いタイプであり、顎関節は左右ともに形は正常でしたが、雑音(クリック音)が異常に大きい顎関節症が認められました。

日時(初診) 1995年11月
年齢・性別 71歳 男性
主訴 歯がしみる、噛みにくい
全身の状態 大動脈瘤の手術後
主な治療経過 1996年2月 基礎治療
1997年4月 精密仮歯装着・噛み合わせの高さ約8mm 挙上 再評価
1997年9月 被せ物治療終了(上顎)・メインテナンス開始
2004年9月 下顎に金属の義歯を新製
2017年11月 治療後20年経過
治療方針 ①噛み合わせ挙上(持ち上げる)し、顎関節治療を実施。
②上顎の前歯をつき上げる力を弱くし、歯周病治療を実施。
③奥歯の噛み合わせをつくる。

精密仮歯による再評価

精密な仮歯を作成するため、事前に特殊な装置(ゴシックアーチ)で噛み合わせを決めます。その後、噛み合わせ器械に模型を装着して精密仮歯を製作しました。模型上で下顎の前歯が見えているのが確認いただけると思います。

噛み合わせ器械による診断と治療

精密仮歯の装着により、噛み合わせの高さを1回で約8mm拳上しましたが、患者さんはすぐに適応されました。歯周病もあり、右上の犬歯は歯肉の退縮が著しかったため、矯正治療にて歯肉のラインを揃えました 。噛み合わせの挙上によって、治療後は下顎の犬歯が約8mm見えるようになりました。

治療後と治療後20年経過の様子

治療から5年後(2015年6月)の状態

治療から20年後も良好に経過しています。下顎の前歯の見え方に変化はありません。上顎の全体被せ物はメインテナンスを継続されており、問題なく機能しています。

下顎は最終仮歯(プラスチック製)の部分義歯を装着後、7年目にバネが折れました。その際に金属製の入れ歯(コバルト-パラレル義歯)を新製し、その後の経過は良好です。ストレスがあり、前歯から小さい奥歯には大きな力がかかっていますが、メインテナンス(PTCというクリーニング)を6か月ごとに行い、炎症と力を適切にコントロールしています。

顔貌

顔貌の比較

治療前の顔貌は、短顔型で全体的にしっかりした骨格、下顔面が上顔面より幅広でした。頬部は右が発達し、左にはエクボがあります。

治療後は全体的に左右差が少なくなり、左右の筋肉のバランスがよくなりました。治療前は下顔面が上顔面より幅広な「おにぎり型」でしたが、噛み合わせを8mm挙上した治療後は「うり型」に変化しました。

術後20年では緊張感もとれ、老化もあり箱型の顔貌となっています。頬にエクボが残っていますが、左右のバランスは改善しています。口角は左右対称で頬の血行も良好です。オトガイの緊張が自然になり、患者さんの持つ本来の顔に近づいたと考えられます。

正面の比較

正面の比較

治療前は下顎の前歯がほとんど見えませんでしたが、治療後は上顎と下顎がバランスよく見えるようになりました。これにより、上下奥歯、前歯の力のバランスが良くなり、全体の歯周病も改善されました。20年経過後も下顎の前歯の見え方は変化していません。

全身症状

治療後には腹痛と足の痛みが改善し、問診票における改善率は35%となりました。

まとめ

1997年当時は噛み合わせの高さは挙上しないというのが定説でしたが、あえて噛み合わせを挙上した患者さんの症例です。治療時は大動脈瘤の手術後でしたが、元気な様子でした。お口には深い噛み合わせが見られ、重度の歯周病で奥歯の噛み合わせの支えが失われつつありました。

約1年半の治療の中で、精密仮歯を装着し噛み合わせの高さを約8mm挙上したことにより、体調も改善したと思われます(改善率35%)。メインテナンス時に精密仮歯として製作した下顎の義歯のバネが7年目に折れたため、金属の義歯(コバルト-パラレル義歯)で最終義歯を作成しました。コバルト-パラレル義歯の経過も順調でした。

コラム①コバルト-パラレル義歯と歯科技工

部分義歯は少なくなった自分の歯を守りながら噛むもので、その力の微妙なコントロールで長期予後が期待できます。しかし、部分義歯は強く噛みすぎると土台の歯にも力がかかり過ぎてしまいます。理想は土台の歯にも力がかかり過ぎず、義歯でしっかり噛めることです。その目的で考えられたのがコバルト‐パラレル義歯という入れ歯です。

コバルト‐パラレル義歯は、土台の歯と義歯が平行な面で接しているので、製作には歯科技工士の熟練の技術が必要となりますが、一般的な部分入れ歯に比べて土台の歯に負担をかけずにしっかりと噛むことができます。

当院では開院当初から歯科技工室を持ち、高いレベルの義歯、被せ物を製作する技術と設備を維持してきました。(※これは日本の歯科医院の中でも10%の医院しか持っていない設備です。)また、熟練した技術を有する外部の歯科技工士とも、コミュニケーションを大切にしながらお付き合いをしています。

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